皆さん、こんにちは!てつやです。
先日、「AIの答えが全然、頭に入らない人が増えている」という記事を読みました。教え子の5人に1人を東京大学合格に導いてきた、国語の先生が書いた記事でした。
読みながら、正直、他人事とは思えませんでした。
AIに答えてもらったのに、なぜか頭に入らない

AIに聞けば、たいていのことはすぐに説明してくれます。要約もしてくれるし、分からないところは聞き直すこともできます。
それなのに、あとで誰かに説明しようとすると、うまく言葉にできない。「それで、結局どういうことなの?」と聞かれると、答えに詰まってしまう。
こういう経験が、私にもあります。
情報が足りなかったわけではありません。むしろ、十分すぎるほど読んだはずなのに、です。
情報が足りないのではなく、多すぎるのかもしれない

記事の中で、印象に残った指摘がありました。AI時代には、情報を得ること自体は、もう難しくありません。それでも理解できないことがある、というのです。
同じ情報を読んでいても、目的が違えば、見るべきポイントは変わる。逆に言えば、目的がないまま読み始めると、情報の優先順位がつけられなくなる、ということでもあります。
目についた数字に引っ張られる。印象的な事例だけを覚えてしまう。強く言い切っている文章を、そのまま結論として受け取ってしまう。
たくさん読んだのに、何を持ち帰ればいいのか分からなくなる。心当たりがありすぎて、少し苦笑いしてしまいました。
同じ答えでも、「何を知りたいか」で意味が変わる

例えば、新しいAIツールについて調べるとき。
「AIについて教えて」と聞くのと、「自分の仕事でAIに何を任せられるか判断したい」と聞くのとでは、必要になる情報がまったく違います。
前者なら、機能や特徴を広く知りたいのでしょう。後者なら、費用対効果や、今の業務との相性、導入のリスクといった、判断材料になる情報が欲しいはずです。
情報を受け取る前に、「何を知りたいのか」がある。これが抜け落ちると、同じ答えを読んでも、頭には残らないのかもしれません。
その前に、そもそも何に困っているのか

ただ、ここでもう一段、立ち止まって考えてみたいことがあります。
「AIについて知りたい」と思っていても、その奥には、別の困りごとが隠れていることがあります。
仕事の文章を早くまとめたい。アイデアを整理したい。自分の考えを言葉にしたい。調べ物に時間がかかりすぎている。何かを始めたいのに、うまく整理できない。
「AIを使いたい」が本当の目的なのではなく、その手前に、解決したい困りごとがある。これに気づかないまま情報を集めても、なかなか頭には残らないのだと思います。
「AIが使えない」のではなく、使い道がまだ見えていない

AIを使ってみたけれど、結局何に使えばいいのか分からなかった、という経験はないでしょうか。
私は、これを「AIが使えない」ではなく、「AIを使って解決したいことが、まだ見えていない」と捉え直した方がいいと思っています。
能力の問題ではなく、用途を見つける段階の問題。そう考えると、少し気が楽になります。
考えるとは、答えを出すことだけではない

考えるというと、答えを出すことを思い浮かべがちです。
でも、「自分はいま何に困っているのか」「何を知りたいのか」「何を決めたいのか」を整理することも、考えるという行為のひとつなのではないかと思います。
答えを探す前に、この整理をしているかどうかで、AIとの向き合い方は大きく変わってきます。
AIに聞く前に、一度立ち止まる

だからといって、AIを使わない方がいい、という話ではありません。
ただ、AIに聞く前に、ほんの少しだけ、自分の側を整理する時間を持ちたいのです。
何かAIに使えそうだ、と思ったら。何に使えそうか、と考えてみる。そもそも、何に困っているのか、と、もう一段遡ってみる。それが分かれば、AIの使い道も、自然と変わってくるように思います。
「自分の現在地」が分かれば、次に進みやすくなる

AIを使うときに迷うとしたら、その理由は人それぞれです。
そもそも考え方の軸が曖昧なのか。解決したい困りごとがまだ見えていないのか。AIに何を任せるかで迷っているのか。伝え方が分からないのか。
迷っている場所によって、戻るべき場所は違います。自分がいまどこで立ち止まっているのかが分かるだけでも、次の一歩は踏み出しやすくなります。
AIを使う前に、整えるものがある

AIに何を聞くかを考える前に、自分は何に困っているのか。
そこから始めてみる。それだけで、同じAIとの対話でも、頭に残る感覚が変わってくるように思います。
この「困りごとを言葉にする」という視点は、以前に書いた「問いを育てる」とは、少し違う場所にあります。「何を問うか」の前に、「何に困っているのか」を整理する。今回はその部分を書いてみました。
自分の困りごとが見えてきたら、次はそれをどうAIに渡すかという段階に進みます。そのための整え方をまとめた記事があります。
👉 AIを使う前に整える地図(有料note)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、また次の記事でお会いしましょう!
▼ あわせて読みたい
・「なんとなく良い」をAIに渡せますか——暗黙知と言語化の間で考えたこと
・香りのアンテナを広げていたら、生きがいの五本柱とAI思考の地図がつながった話

コメント