皆さん、こんにちは。てつやです。
先日、ちょっと不思議なことが起きました。
半年ほど前に書いた記事が、ここ1週間で急にアクセスを集め始めたのです。しかも、1本ではなく2本同時に。
1本は、SNSで「無言の帰宅」という言葉をめぐって世代間のすれ違いが起きた話。もう1本は、職場で気づいた人だけが損をしていく構造の話。
テーマも、書いたタイミングも別々の記事です。なぜ今、この2本が?という疑問を抱えながら、久しぶりに読み返してみました。
そうしたら、気づいてしまったのです。
この2本、根っこはまったく同じ問題を指していた。
2つの記事が指していたもの

「無言の帰宅」の記事では、同じ言葉を使っているのに、世代によってまったく違う景色が見えていました。ある人には「遺体となって帰宅すること」という重い意味が見える。別の人には「黙って家に帰ること」という字義通りの意味しか見えない。
同じ言葉を交わしているのに、見えている地図が違う。だから、すれ違う。
「善意が義務に変わる」記事では、同じ職場にいるのに、問題が見えている人と見えていない人がいました。気づいた人だけが動き、動けば動くほど「あの人がやってくれる」という構造が固まっていく。
同じ場所にいるのに、見えている地図が違う。だから、気づいてもらえない。
2本の記事を並べてみると、どちらも同じ一文に行き着きます。
人によって、見えている地図が違う。
思い当たる場面が、一つや二つはあるのではないでしょうか。
AI時代に、このギャップはさらに広がる

「地図が違うから伝わらない」という問題は、昔からあった話です。世代間でも、職場でも、ずっとそうでした。
ところが、AIが登場してから、このギャップが急速に広がっていると感じます。
AIを日常的に使っている人と、まだ触れていない人では、同じ仕事の話をしていても、見えているフローがまるで違います。「これ、AIに任せればいい」と見えている人と、そもそもその選択肢が地図に存在しない人が、同じ会議室にいる。
言葉でも、善意でも起きていたことが、AI時代にはもっと大きく、もっと速く起きているように感じます。
道具より先に、地図を持つ

現役時代、私は業務改善の場面で何度もこの壁にぶつかりました。新しいシステムを導入しても、使う人の頭の中にある「仕事の地図」が変わらなければ、結局は元の動き方に戻っていく。道具が変わっても、地図が変わらなければ何も変わらない。
AIも、同じだと思っています。
ツールの使い方を覚える前に、整えるべきものがある。「何のために使うのか」「どこまで任せるのか」「何を自分で判断するのか」——そういう問いに答える地図を、先に持っておくことが必要です。
言葉が伝わらなかった理由も、善意が報われなかった理由も、AIがうまく使えない理由も、突き詰めれば同じところに行き着く気がしています。
地図を持たずに、道具だけ手にしていた。
おわりに

半年前の2本の記事が、今また読まれているのには、きっと理由があるのだと思います。言葉のギャップも、職場の不公平感も、今この瞬間にも誰かが感じている問題だから。
読み返してみて、改めて気づいたことがあります。
あの頃の私は、それぞれの出来事を「別々の問題」として書いていました。でも今見ると、どちらも同じ場所でつまずいていた。伝わらない理由は、いつも地図の手前にあったのです。
AIも、きっと同じところでつまずきます。ツールの使い方ではなく、地図を持っているかどうか。
この問いの整理を、「考える技術とAI」シリーズでは一つずつ丁寧に進めています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。 それでは、また次の記事でお会いしましょう!
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