皆さん、こんにちは!てつやです。
最近、ブログもnoteも、AIとの付き合い方について書くことが増えてきました。
そんな中、ある調査記事を読んで、これまで自分が考えてきたことと、かなり近い話が外部の研究として発表されていることに気づきました。
今日は、そのことについて書いてみたいと思います。
AIを使えば、仕事は本当に楽になるのか?

AIを使えば作業は速くなる。
でも、仕事全体が楽になるとは限らない。
パーソル総合研究所が発表した調査によると、業務でAIを使う人の割合は、2025年の41.9%から、2026年には54.3%まで増えているそうです。

ただ、興味深いのは、AIの利用が増えたからといって、組織全体の生産性が自動的に上がるわけではない、という点です。
この調査を読み解いた記事では、その原因として3つが挙げられていました。
1つ目は「時短の空振り」です。AIで作業を早くできても、それが本当のボトルネックに当たっていなければ、全体としては速くなりません。
2つ目は「余白の消失」です。AIによって生まれた時間の余裕が、結局また別の日常業務に吸収されてしまう現象です。
3つ目は「差別化の消失」です。誰もが同じようにAIを使えるようになると、AIを使えること自体が強みではなくなっていきます。
「AIを使えば、仕事は楽になる」
そう単純には言えない時代になってきている、ということなのだと思います。
なぜ「AIから離れる」ことが重要なのか

この調査で、もう一つ印象に残ったキーワードがあります。
それが「AIから離れる」という言葉です。
誤解しやすいのですが、これは「AIを使わない」という意味ではありません。
調査では、アニマル・スピリットの高い人ほど、人を巻き込んだり、失敗を乗り越えたりするなど、現実の人や場所との接点を持つ傾向が見られたそうです。
ここから私が感じたのは、AIの外側にある現実の経験こそが、AIを使うための材料になる、ということです。
これは、AIに時間を使うか、現実に時間を使うか、という二択の話ではありません。
現実での経験があるからこそ、AIに何を聞けばいいのかが見えてくる、という順番の話なのだと思います。
AI時代に必要とされる5つのメタスキル

この調査では、AIを使って成果を出している人に見られる特徴として、5つのメタスキルが示されていました。
現実の一次情報を「集める」。
そこから優先順位を「決める」。
AIの回答を「確かめる」。
違和感があれば「壊す」。
そして、個人の気づきを「蓄える」。
さらに、その土台として「アニマル・スピリット(面白そうだからやってみる、という行動力)」と「立体思考(物事を多面的に、俯瞰して捉える力)」があるとされています。
ここで詳しく5つすべてを解説することはしませんが、大事なのは、これらがどれも「AIの操作スキル」ではなく、「人間側の思考の使い方」だという点です。
AIに任せる前に、人間が決めるべきこと

私自身、この1年半AIと付き合ってきて、繰り返し実感してきたことがあります。
それは、AIに何かを頼む前に、まず自分の中で決めておくべきことがある、ということです。
具体的には、次の3つです。
何のためにAIを使うのか、という目的。
どこまでをAIに任せ、どこからを自分で決めるのか、という境界線。
そして、今、何を優先して進めるべきか、という優先順位です。
ここが曖昧なまま作業を始めると、AIの出力がどれだけ速くても、途中でどこかに迷いが生まれます。
逆に、ここが整理できていれば、AIは驚くほど頼りになるパートナーになります。
先ほどの5つのメタスキルでいえば、「集める」「決める」にあたる部分と、かなり重なる考え方です。
AIの回答を鵜呑みにしないために必要なこと

もう一つ大事なのが、AIから返ってきた答えをそのまま受け取らない、という姿勢です。
AIは、もっともらしい答えを出すことが得意です。
ただ、その答えが「今、目の前にある状況」に本当に合っているかどうかは、また別の話です。
一見正しそうに見えても、実は今の自分の状況には合っていない「役に立たない正解」ということも、少なくありません。
だからこそ必要なのが、出てきた答えに対して感じる違和感を放置せずに問い直すことです。
もう一度AIにぶつけてみる。
他の案と比べてみる。
実際に試して確かめてみる。
先ほどのメタスキルでいう「確かめる」「壊す」は、この動きに近いものだと感じています。
AIの外側にある「経験」がなぜ重要なのか

ここまで、AIとのやり取りの中でできることを見てきましたが、実はその外側にも、大事な要素があります。
それが「経験」です。
現場での試行錯誤、対人関係でのつまずき、読書から得た視点。
こうした、AIの外側にある現実との接点が、AIに何を聞けばいいのかを教えてくれます。
私自身、ブログの画像がうまく作れなかったときや、文章がまとまらなかったときほど、その経験がAIとの対話を具体的にしてくれる、と感じてきました。
先ほどの「AIから離れる」という考え方は、まさにこの部分とつながっています。
AIと人間の役割分担をどう考えるか

私は会社員時代、社内の業務改善を担当することが多くありました。
新しいシステムを導入するたびに、現場の担当者から「この手順が分かりにくい」「これまでのやり方の方が早い」という声が上がり、その間に立って調整することが日常でした。
そこで実感していたのは、システムがどれだけ優れていても、現場が「何をどこまで任せていいのか」を理解していなければ、うまく機能しない、ということでした。
これは、AIとの付き合い方にも、そのまま当てはまる話だと思っています。

この記事が対応するのは、この地図でいう1層――AIとの向き合い方全体を支える、世界観の層にあたります。
1層のテーマは、「AIとどう向き合うか」という前提そのものを整えることです。
新システム導入のときに必要だったのが、「このシステムに何を任せ、何を人間が判断し続けるか」という役割分担の合意でした。
AI活用でも、構造はまったく同じです。
AI=実行・生成を担うパートナー、人間=目的を決め、判断し、現実とつなぎ続ける存在。
この役割分担を先に決めておくことが、AIをうまく使いこなすための土台になります。
AIを使う力から、AIと考える力へ

ここまでの話をまとめると、AIとの付き合い方は、単なる「使い方」の話ではなくなってきているように思います。
AIに何かを渡す前に、目的・境界線・優先順位を整える。
AIとの対話の中で、答えをそのまま受け取らず、違和感を手がかりに問い直す。
AIから返ってきたものを現実に戻し、試し、確かめる。
そこで得た経験を次の問いに持ち帰る。
そして、また同じようにAIと対話する。
この一連の流れをAIを「使う力」ではなく、AIと「考える力」と呼んでもいいのではないか、と最近考えています。
AIの前と後を人間の思考でつなぐ

これまで私は、「プロンプトより先に、整えるものがある」という考え方を軸に、AIに何かを渡す前の整え方を中心に書いてきました。
ただ、今回の調査を通じて、整えるべきなのは「AIの前」だけではない、とあらためて感じています。
AIを使うか、AIから離れるか、という二択ではなく、AIと現実の間を人間の思考が行き来し続けること。
AIが賢くなるほど、この部分の重要性は、むしろ増していくのではないかと思っています。
ここまで読んで、
「では、自分はAIとどう付き合っていけばいいのだろう?」
「AIに任せる前に、何を整理しておけばいいのだろう?」
そんなことをもう少し具体的に考えてみたい方へ。
私はnoteで、AIとの向き合い方や、AIを使う前に整えておきたい「思考の地図」について書いています。
👉 思考は、AIとの対話で育ち、地図となって、価値になる。──全4回のまとめ|note
また、AIとの向き合い方を、さまざまな角度から整理した記事は「考える技術とAI」シリーズにまとめています。
参考・出典
今回の記事のきっかけになった記事と、掲載されている調査の一次資料です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、また次の記事でお会いしましょう!

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