―― AIを迷わせない「分解」と「組み立て」の具体策
皆さん、こんにちは!てつやです。
前回は、全く同じ素材でも「渡し方の順番」を変えるだけで、AIの出力が劇的に変わる様子を実験でお見せしました。
「順番を整えるだけで、AIがこれほど納得して動き出すのか」と、驚かれた方も多かったのではないでしょうか。
今回は、その「魔法のような順番」をどうやって作ればいいのか、いよいよその具体的なステップに踏み込んでいきます。
「順番が大事なのは分かった。でも…どう作ればいいの?」
「AIは“順番”で変わる」
第3回でそうお伝えし、第4回では実際の例でその違いを見てきました。
ここまで読んでいただいた方の多くが、今こう感じているのではないでしょうか。
「順番が大事なのは分かった」
「でも、それをどうやって作ればいいのか分からない」
ここが、多くの人が止まってしまうポイントです。
ですが安心してください。
今回お伝えするのは、誰でもできる、一番シンプルな作り方です。
結論:順番は「分解して、並べる」だけ

いきなり核心からお伝えします。
順番は「分解して、並べる」だけです。
特別なセンスは必要ありません。
難しいテクニックも不要です。
やることは、たったこれだけです。
- 情報を“部品”に分ける
- それを“順番”に並べる
たったこれだけで、AIの出力は見違えるほど変わります。
では、実際にやってみましょう。
ステップ①:情報を「分解」する

まずは、ぐちゃぐちゃになっている情報を“部品”に分けていきます。
第4回で使った例を、もう一度見てみましょう。
(定年後についての下書き)
定年後って時間はあるけど何したらいいか分からない人多いと思う
趣味探せってよく言われるけどそんな簡単に見つからない
むしろ探そうとするとしんどくなる気がする
だから最初は無理に見つけなくてもいいと思う
少し気になることをやってみるくらいでいい
その中で自然と続くものがあればそれが趣味になると思う
この文章を、そのままAIに渡すと——
解釈が分かれて、ブレた出力になりがちでした。
では、これを「分解」してみます。
分解するとこうなります
- 共感:何をしたらいいか分からない
- 問題:趣味が簡単に見つからない/探すとしんどい
- 安心:最初は無理に見つけなくていい
- 行動:少し気になることをやってみる
- 結果:続くものがあればそれが趣味になる
どうでしょうか。
やっていることはシンプルです。
“意味ごとに分けただけ”です。
この「分解」ができるだけで、情報は一気に扱いやすくなります。
ステップ②:人が理解できる順番に「並べる」

次に、この分解した部品を“順番”に並べていきます。
ここで重要なのは、人が理解しやすい流れにすることです。
そしてこの順番は、そのままAIにとっても「迷わない順番」になります。
基本となる順番は、これです。
- 共感(悩み)
- 問題(引っかかり)
- 安心(力を抜く)
- 行動(小さな一歩)
- 結果(見通し)
先ほどの要素を、この順番に当てはめてみます。
- 共感:何をしたらいいか分からない
- 問題:趣味が簡単に見つからず、探すとしんどくなる
- 安心:無理に見つけなくていい
- 行動:少し気になることをやってみる
- 結果:続くものがあれば自然と趣味になる
これを“その順番で”文章に戻すと——
定年後、何をしたらいいか分からないと感じる人は多いです。
趣味を探そうとしても、なかなか見つからず、かえってしんどくなることもあります。
でも、無理に見つける必要はありません。
まずは少し気になることを試してみるだけで大丈夫です。
その中で自然と続くものがあれば、それが趣味になっていきます。
どうでしょうか。
同じ内容なのに、伝わり方がまったく変わっているはずです。
これが「順番の正体」です。
ここで一つ、整理しておきます。
第4回では、AIが整えた文章をお見せしました。
一方で今回は、人の手で分解し、順番を作っています。
やっていることは違うように見えますが、本質は同じです。
第4回のAIの出力は、この「分解」と「順番」を内部で行った結果です。
つまり今回は、そのプロセスを“見える形にしている”だけです。
ミニ実践:あなたも30秒でやってみてください

ここで一度、実際にやってみてください。
やることはシンプルです。
- 最近、AIに頼んだ内容を思い出す
- それを“意味ごと”に分解する
- 5つの順番に並べる
たったこれだけです。
完璧にやる必要はありません。
“なんとなく分ける”だけでOKです。
それでも、おそらくこう感じるはずです。
「あ、これならできそう」
「さっきより整理されてる」
それで十分です。
なぜこれだけでAIが変わるのか

理由はシンプルです。
AIは“整理された情報”しか理解できないからです。
これまでAIが迷っていたのは、能力の問題ではありませんでした。
人間側の情報が、整理されていなかっただけです。
- 分解されていない
- 順番がない
- 意図が混ざっている
この状態では、AIは選べません。
だから、ブレるのです。
まとめ:順番は「センス」ではなく「手順」

最後に、今回の内容を整理します。
👉 順番は「分解して、並べる」だけ
👉 分解=意味ごとに分ける
👉 並べる=人が理解できる順番にする(=AIが迷わない状態にする)
そして何より重要なのは——
順番は“センス”ではなく“手順”で作れるということです。
ここまでで、AIに迷わせないための“土台”が見えてきたはずです。
ここから先に進みたい方へ
ここまでで、順番が大事だということは、かなり見えてきたのではないでしょうか。
そしてその順番は、センスではなく、ちゃんと作ることができる。
これは、AIを使ううえでとても大きな安心材料だと思います。
ただ実際には、ここまで分かっても、まだ止まる場面があります。
「何を分ければいいのか分からない」
「どこまでをAIに任せていいのか迷う」
「優先順位が決めきれない」
そんなふうに、順番の手前にある“判断”のところで、また迷いやすいのです。
だからこそ次は、
この“判断”の部分をどう扱うかがテーマになります。
次回は、この連載の締めくくりとして、
ここまでで見えてきたことと、その先で必要になる考え方を整理していきます。
👉 次回:【第6回】AI思考設計|“順番”が分かっても、まだ止まる理由
―― 見えてきたことと、その先にある「判断」
それでは、また次の記事でお会いしましょう。
理解の旅シリーズ
第0回:道具は変わる。だが、仕組みを作る「知恵」は受け継がれる。
第1回:AI思考設計|なぜ、あなたのAIは迷うのか?
第2回:AI思考設計|AIがうまく動かないのは“情報の渡し方”が曖昧だから
第3回:AI思考設計|AIは“順番”で変わる理由
第4回:実例で学ぶ「渡し方の順番」
第5回(本記事):AI思考設計|“順番”を作るための思考整理法

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