皆さん、こんにちは!てつやです。
最近、涼しくなってきて、ようやくパソコンに向かう時間も長く取れるようになってきました。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
さて今日は、東洋経済オンラインで読んだ、ある記事の話から始めたいと思います。
東大生のニュースの見方に、なぜか妙な引っかかりを覚えた

東大生の本の読み方・ニュースの見方を紹介する記事でした。本を読むときは「出口」を考えてから読む。ニュースを見るときは「誰が得して、誰が困るか」を見る。専門外の分野にも定期的に触れる。どれも、特別なテクニックというより、順番の話でした。
読んでいて、なぜか妙な引っかかりがありました。うまく言葉にできない、何かが引っかかる感覚です。
「誰が得して、誰が困るか」というものの見方

中でも私が気になったのは、「誰が得して、誰が困るか」という視点でした。
記事では、ニュースを見たときに「得する人を2人、困る人を2人」、具体的に書き出してみることを勧めています。1人だけだと「なんとなくそう思う」で終わってしまいますが、2人ずつ挙げようとすると、自然と「では他に誰が関係しているか」まで考えざるを得なくなります。
ニュースは、出来事だけを見ると平面的ですが、そこに関係する人を見ると、急に立体的になる。そういう話だと受け止めました。
そこで、私は昔の仕事を思い出しました。
フロントを楽にしたら、バックオフィスの仕事が増えた

現役時代、お客様対応をする部門は、直接お客様と接するフロント部隊と、事務処理を担うバックオフィスに分かれていました。
フロント部隊は、本来やるべき対応業務以外にも、事務処理に多くの時間を取られていました。そこで、その事務処理をバックオフィス側で一元的に代行する、という改善を行ったことがあります。
すると一見、フロントは楽になり、バックオフィスは仕事が増える、という構図になります。一部分だけを見れば、仕事を別のところへ押しつけたようにも見えます。
でも、それは「仕事の押しつけ」ではなかった

なぜ、この役割分担をしたのか。
フロント側は、事務処理から離れることで、本来の対応業務に専念できるようになります。専念できれば、当然、生産性も高まります。
バックオフィス側は、事務処理を一元的に担うことで、それまでフロント側の処理の遅れによって発生していた「作業待ち」も減らせます。結果として、部内の運営が安定します。
つまり、フロントの仕事をバックオフィスへ移しただけではなかったのです。役割を分けたことで、それぞれが自分の役割に集中できるようになり、結果として部門全体の生産性と安定運営につながっていました。
「得する人」と「困る人」だけでは、見えないことがある

東大生の記事を読んで、「誰が得して、誰が困るかを見る」という視点は、確かに大切だと思いました。でも、自分の仕事を振り返ってみると、それだけでは足りなかったように思います。
バックオフィスの仕事は、確かに増えました。でも、それを単純に「困る側」と見ることはできません。フロントが本来業務に集中できるようになったこと、事務処理の遅延が解消されたこと、バックオフィス自身の作業待ちも減ったこと、部内運営が安定したこと。そうした全体の変化があったからです。
目の前の「楽になった」「仕事が増えた」だけを見るのではなく、その変化が全体の中でどんな意味を持つのかを見る。読み始めたときに感じていた、あの言葉にならない引っかかりの正体は、これだったのかもしれません。
AIも、目の前の「楽になる」だけでは考えられない

そしてこれは、AIとの向き合い方にもそのまま重なる話だと感じています。
「AIを使えば、この作業を減らせる」。これは一見、良いことに見えます。でも、その作業を誰が担っていたのか。AIに任せることで、誰の仕事がどう変わるのか。単なる負担の移動になっていないか。本来の目的は何だったのか。全体として何が良くなるのか。こうした視点がないと、「AIに任せれば楽になる」というところで止まってしまいます。
AIより前に、見ておきたい景色がある

ここまで、フロントとバックオフィスの経験を振り返りながら、AIにも通じる見方を考えてきました。
AIに何かを任せる前に、その作業が全体の中でどんな役割を持っているのかを見ておく。これは、AIの使い方を覚えるよりも前に持っておきたい、構えのようなものだと感じています。
私は「考える技術とAI」で、こうした考え方を置く場所を、5つの層に分けた「AI思考の地図」として整理しています。

この記事が対応するのは、この地図でいう1層――AIより前に持っておく、世界観の層にあたります。
1層が扱うのは、「何を実現したいのか」「その仕事は全体の中でどんな役割を持つのか」といった、AIに触れる以前の土台の部分です。今回の気づきは、まさにここにあたる話でした。
道具の前に、まず全体を見る目を持っておく。そういう話です。
あなたが最近、「これは誰かにとって得だけれど、別の誰かには負担なのでは」と感じたことはありませんか。そのとき、その先にある「全体」を見てみると、違った景色が見えてくるかもしれません。
参考・出典
今回の記事のきっかけになった記事です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、また次の記事でお会いしましょう!

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