皆さん、こんにちは!てつやです。
これまでのシリーズで、月の不思議や探査の歴史を学んできました。
▶️ シリーズ1回目:月の裏側が見えない理由(潮汐ロック)
▶️ シリーズ2回目:月探査史から学ぶ3つの教訓
▶️ シリーズ3回目:表と裏はなぜ違う?
しかし、知識だけでは物足りない。
「実際に自分の目で見て、自分の手で撮ってみたい!」
そう思い立った私は、12月の冷え込む夜、手持ちのスマホと百均のアダプタを手に近所の公園へと向かいました。
結論から言うと、スマホだけで月のクレーターをくっきり撮ることに成功しました!
しかし、その裏側には2時間にわたる格闘と、初心者ならではの「失敗の山」がありました。今回はその一部始終を赤裸々に公開します。
これから星座観察を始めたい方、スマホで天体撮影に挑戦したい方の参考になれば幸いです!
準備編:手持ちの機材と撮影場所
🛠️ 使用した機材(手持ち品+110円でスタート!)
「天体撮影には高額な機材が必要」という常識を疑い、“いま手元にあるもの”だけでどこまで撮れるか試してみました。追加投資は110円だけです。
| 機材 | 詳細 | 価格 |
|---|---|---|
| スマホ | Galaxy S23 Ultra(230mm望遠レンズ搭載) | 以前から所有 |
| 三脚 | Velbon CX440 | 以前から所有 |
| 三脚用スマホアダプタ | 百均(ダイソー)で購入 | 110円 |
| 撮影アプリ | Expert RAW(Galaxy標準アプリ) | 無料 |
ポイント:
Galaxy S23 Ultraは、230mmの望遠レンズとExpert RAWアプリが標準搭載されているため、月の撮影に非常に適しています。
私がこのスマホを選んだ理由の一つが、まさに「月をきれいに撮りたい」という希望でした。
もちろん、Galaxy S23 Ultraでなくても構いません。“望遠レンズ+マニュアル撮影アプリ”があれば、多くのスマホで同じように楽しめます。
三脚は、以前から所有していたVelbon CX440を使用しました。この三脚は安定性が高く、スマホ撮影にも十分使えます。
ただし、三脚にスマホを固定するアダプタは百均(ダイソー)で購入したものを使いました。これが後述する「失敗⑤」に繋がります。


📍 撮影場所:近所の公園(徒歩5分)
わざわざ遠出せず、家の近所の公園で撮影しました。
選んだ理由:
- 街灯が少なく、視界が開けている
- 夜でも安全な場所
- 自宅から近く、何度でも通える
ただし、後述しますが、24時間営業の店の看板が意外な落とし穴でした…。
撮影編:月のクレーターが撮れた瞬間!
📸 撮影成功!設定値を公開
試行錯誤の末、ついに月のクレーターまでくっきり撮影できました!
撮影成功時の設定値
| 設定項目 | 自動モード | 手動モード(成功) |
|---|---|---|
| ISO | 50 | 80 |
| 焦点距離 | 230mm | 230mm |
| 露出補正 | 0.0ev | -2.0ev |
| F値 | F4.9 | F4.9 |
| シャッタースピード | 1/222秒 | 1/500秒 |
| ホワイトバランス | – | 4000K |
学んだこと
- ✅ 自動モードでも十分撮れる!(初心者には自動がおすすめ)
- ✅ 手動モードは微調整に便利(特に露出補正が重要)
- ✅ 露出補正を-2.0evまで下げることで、月の表面の明暗がくっきり
- ✅ シャッタースピードを1/500秒にすることで、手ブレ防止
- ✅ 230mm望遠がクレーター撮影の決め手
🌕 撮影した写真

撮影日: 2025年12月5日(満月/スーパームーン)
撮影場所: 近所の公園
使用機材: Galaxy S23 Ultra + Velbon CX440

失敗編:初心者が直面した6つの壁
成功の裏には、数々の失敗がありました。正直に告白します。
❌ 失敗①:三脚セット中の撮影用デジカメを忘れた
何があったか:
「三脚にスマホをセットしている様子」を撮影しようとしたら、デジカメを自宅に置き忘れていました。
原因:
最近はスマホ撮影に慣れすぎて、「カメラ=スマホ」という認識になっていたため。
対策:
次回は、撮影機材チェックリストを作成します。ブログ用の「作業風景写真」も大事ですね。
❌ 失敗②:24時間営業の店の看板がまぶしすぎた
何があったか:
公園の近くに24時間営業のファミレスがあり、その看板の光が写真に写り込んでしまいました。
原因:
昼間に下見した際は気づかなかったのですが、夜になると看板の光が予想以上に強烈でした。
学んだこと:
「光害(ひかりがい)」という言葉を初めて実感しました。天体撮影では、街の光も大きな障害になるのですね。
対策:
次回は、公園内でも看板が視界に入らない角度を探します。
❌ 失敗③:マニュアル設定は2時間の試行錯誤
何があったか:
ISO、シャッタースピード、F値……。最初は呪文のように聞こえ、解説書を読んでも頭に入ってきませんでした。「習うより慣れろ」で、設定を変えては撮る、を繰り返すうちに、少しずつコツが見えてきました。気づけば2時間が経過。
学んだこと:
「設定した結果を目で見て覚える」のが最短ルートだと痛感しました。
特に、露出補正(-2.0ev)まで下げたときに、月の表面がくっきり浮かび上がった瞬間は感動でした!
月は非常に明るい天体なので、露出補正を大きくマイナス側に振ることが重要だと学びました。
❌ 失敗④:12月の夜は想像以上に寒い
何があったか:
「2時間くらいなら大丈夫だろう」と軽装で出かけたら、指先が凍えて、スマホ操作がままならなくなりました。
対策:
次回は、防寒手袋(スマホ対応)とカイロを持参します。
❌ 失敗⑤:百均の三脚アダプタが不安定
何があったか:
三脚自体(Velbon CX440)はしっかりしているのですが、百均で購入したスマホ用三脚アダプタが、風が吹くと少し揺れてしまいました。
学んだこと:
三脚本体はしっかりしているだけに、アダプタ部分の不安定さが目立ちました。「110円スタート」にはちょうど良いのですが、長く続けるならもう少ししっかりしたスマホアダプタが欲しいと感じました。
対策:
次回は、しっかりしたスマホ用三脚アダプタ(1,000〜2,000円)を購入予定です。
❌ 失敗⑥:飛行機が通り過ぎるのを待つ時間
何があったか:
意外と飛行機が多く飛んでおり、写真に写り込まないように通過を待つ時間がかかりました。
学んだこと:
天体撮影は、「待つこと」も技術のうちなのだと実感しました。
教訓編:月探査史で学んだことが活きた
2時間の撮影を終えて、ふと気づいたことがあります。
今回の挑戦は、シリーズ2回目で学んだ「3つの教訓」そのものだったということです。
教訓①:「まずはやってみる」勇気(ルナ3号)
完璧な準備を待たなくていい。失敗を恐れず、一歩を踏み出す。
今回、私は「双眼鏡も望遠鏡もない」状態で、まず手持ちのスマホで撮影してみました。
新たに購入したのは、百均のスマホアダプタ(110円)だけ。
この「まずはやってみる」姿勢が、成功への第一歩でした。
教訓②:「橋を架ける」工夫(嫦娥4号)
壁にぶつかったら、工夫で乗り越える。
- 光害がひどい → 角度を変えて撮影
- 設定が分からない → 試行錯誤で最適値を見つける(ISO 80、-2.0ev、1/500秒)
- 寒さで指が動かない → 次回は防寒対策
直接解決できない問題も、「橋を架ける」ような工夫で乗り越えられるのだと実感しました。
教訓③:「諦めずに続ける」(嫦娥6号)
諦めずに続ければ、成果は必ず手に入る。
2時間の試行錯誤は大変でしたが、月のクレーターがくっきり撮れた瞬間の達成感は、言葉にできないほどでした。
この「諦めない継続」は、ブログ運営にも、天体撮影にも共通しています。
定年後の挑戦は、すべてつながっている
月探査史で学んだ教訓が、実際の撮影体験で活きました。
定年後のブログも、車中泊も、星座観察も、すべて「試行錯誤の連続」です。
でも、その失敗こそが「次はもっとうまくやりたい!」という意欲に繋がるのだと、改めて実感しました。皆さんにとっての『ルナ3号的な一歩』は、何になるでしょうか。
おすすめアイテム3選:次回はもっと快適に撮りたい!
ここからは、『110円スタート』からもう一歩先に進みたい方向けの内容です。
今回の失敗を踏まえて、「次回はこれを使いたい!」と思ったアイテムを3つご紹介します。
🛒 ①スマホ用三脚アダプタ(しっかりしたもの)
おすすめ理由:
今回、百均のスマホアダプタ(110円)を使いましたが、風が吹くと少し揺れるのが気になりました。三脚本体(Velbon CX440)はしっかりしているので、アダプタだけもう少し安定性の高い製品を使いたいです。
長く続けるなら、ここだけは投資する価値があると感じました。
価格帯: 1,000〜2,000円
🛒 ②スマホ用クリップ式望遠レンズ
おすすめ理由:
Galaxy S23 Ultraには230mm望遠レンズが搭載されていますが、星座をさらに大きく撮りたいときには、外付け望遠レンズがあると便利です。
クリップ式なら、必要なときだけ装着できるので手軽です。
価格帯: 2,000〜5,000円
🛒 ③Star Walk 2(無料版)
おすすめ理由:
今回の撮影では、Galaxy標準の「Expert RAW」アプリを使いました。このアプリでも、空にかざすと星や星座の「名前と位置」が分かります。 ただし、星座にまつわる「神話や解説」は表示されません。
そこで見つけたのが「Star Walk 2」です。このアプリは、星座の神話やストーリーも詳しく解説してくれるため、撮影用のExpert RAWと、観察用のStar Walk 2を使い分けたいと考えています。
まずは無料版から試してみる予定です。
価格帯: 無料(アプリ内課金あり)
▶️ Star Walk 2をApp Store/Google Playで見る
📚 参考図書:『星空の教科書』(早水 勉 著 – 技術評論社)
今回の実践記録を書きながら、私が参考にしたのが『星空の教科書』(早水 勉 著 – 技術評論社)です。
本書は、星図の見方から天体の動き、星座の見つけ方など、一通りの基本をやさしく解説したオールカラーの「星空の入門書」です。
特に私のように「60代で初めて星空観察に挑戦する」人にとって、以下の点が非常に助かりました。
役立ったポイント:
– ✅ オールカラーで図解が豊富
– ✅ 星図の見方が初心者にも分かりやすい
– ✅ 季節ごとの星座が一目で分かる
– ✅ 望遠鏡・双眼鏡の選び方も詳しい
今回の月撮影では、「第5章 天体観測入門」の部分が特に参考になりました。
また、本書は「天体観測手帳」の姉妹本としても活用できるため、日々の星空イベントと合わせて使うと、より深く星空を楽しめます。
次の撮影では、この本片手に「肉眼で見る星座探し」にも挑戦してみたいと思っています!
次のステップ:星座も撮りたい!双眼鏡への期待
今回、月の撮影に成功して、次はこう思いました。
「星座も撮りたい!でも、スマホだけでは限界があるかも…」
そこで、次に挑戦したいのが「双眼鏡を使った星座観察」です。
双眼鏡なら、肉眼よりも大きく、でも望遠鏡ほど高価ではないという、ちょうど良い選択肢です。
次回のシリーズでは、双眼鏡選びと実際の星座観察に挑戦する予定です!
🌟 まとめ:110円スタートでも、月は撮れる!
4回にわたる月シリーズを通して、私が一番伝えたかったことは一つです。
『定年後でも、手元にある道具と少しの好奇心があれば、新しい世界がいくらでも広がる』ということです。
新たに購入したのは、百均のスマホアダプタ(110円)だけ。
もちろん、失敗もたくさんありました。寒さ、光害、設定の壁…。
でも、その失敗こそが「次はもっとうまく撮りたい!」という意欲に繋がりました。
定年後の新しい挑戦は、まさにこの「試行錯誤の連続」です。
月探査史で学んだ「諦めない技術」を胸に、これからも星座観察を続けていきます!
月シリーズはこれで完結です。
次回は、「双眼鏡選びと星座観察の実践記録」をお届けする予定です。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう!てつやでした。
🔗 シリーズ記事リンク(全4回+番外編)
📖 ① 裏側が見えない理由|定年後の星座観察準備
📖 ② 探査史から学ぶ3つの教訓|定年後の挑戦
📖 ③ 表と裏はなぜ違う?|定年後の知的好奇心
📖 ④ スマホで月を撮ってみた|110円で始める天体撮影(本記事)
📖 ⑤(番外編):双眼鏡で星座観察に挑戦!(近日公開)
FAQ(よくある質問)
- QGalaxy S23 Ultra以外のスマホでも月は撮れますか?
- A
はい、撮れます!最近のスマートフォンの多くは、望遠レンズやマニュアル撮影モードを搭載しています。iPhoneでも、望遠レンズと露出補正を使えば十分撮影可能です。重要なのは「露出補正をマイナス側に振る」ことです。
最初は“うまくいかなくて当たり前”くらいの気持ちで試してみてください。
- Q三脚がないと撮影できませんか?
- A
自動モードなら手持ちでも撮影可能ですが、手ブレで画質が落ちます。百均の簡易三脚やスマホスタンドでも、あるとないとでは大違いです。
- Q撮影に最適な月の状態は?
- A
満月は明るくて撮りやすいですが、半月の方がクレーターの陰影がはっきり見えます。初心者は満月から始めて、慣れたら半月に挑戦するのがおすすめです。
撮影に慣れてきたら、『今日は半月だからクレーターを狙おう』と、月齢カレンダーを眺めるのも楽しくなります。
📖 参考資料
- 『星空の教科書』(早水 勉 著 – 技術評論社)
- Galaxy S23 Ultra公式サイト
- Expert RAW公式ガイド
※この記事の情報は2025年12月時点のものです。


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