皆さん、こんにちは!てつやです。
定年を迎えて時間のゆとりができ、長年先送りしてきたブログ開設や車中泊に挑戦中です。そしてもう一つ、時間ができて変わったことがあります。それは、ふと夜空を見上げ、月を眺める時間が増えたことです。
忙しい現役時代には気にも留めなかった月ですが、いつもそこにあって私たちを静かに見守ってくれていますよね。新しい趣味として、いずれ本格的に星座観察に挑戦したいと考えているのですが、その第一歩として、今回は「月」の不思議について調べてみることにしました。
皆さんは、夜空に浮かぶ月が、満月だろうと三日月だろうと、いつも私たちに同じ顔を見せていることに、気がついていましたか?
私が子どもの頃から何十年と見てきた月は、クレーターの模様も、色の濃淡も、いつも同じ向きなのです。地球から見えるのは月の表面の約59%だけで、残りの約41%は、地球からは決して見ることのできない「裏側」として存在しています。
これを知ったときは本当に驚きました!「裏側があるなんて!」「一体なぜ見えないんだ?」という素朴な疑問が湧き上がり、これはブログのネタにするしかない、と俄然やる気になりました。
この「なぜ見えないのか?」というシンプルな疑問の答えこそ、ロマンあふれる宇宙のメカニズムだったのです。初心者目線で、この不思議な仕組みを分かりやすく解説していきます!

月の裏側が絶対に見えない!鍵は「潮汐ロック(潮汐固定)」の仕組み
地球から月の裏側が見えない理由。それは、天文学の分野で「潮汐(ちょうせき)ロック」と呼ばれる現象によって引き起こされています。
初めて聞く方は「どういうことだろう?」という感じですよね。私も最初は難しそうに感じましたが、仕組みは実はとてもシンプルなのです。
[図解] 自転と公転がピタリ一致!潮汐ロックの基本原理
潮汐ロックとは、簡単に言えば、月の自転(自分自身が回る動き)の周期と、月の公転(地球の周りを回る動き)の周期が、偶然ではなく、ピッタリ一致している状態のことを指します。
| 動き | 周期 |
|---|---|
| 自転周期 | 約27.3日 |
| 公転周期 | 約27.3日 |
月が地球を一周する間に、月自身もきっかり一周回る。まるで、誰かと手をつないで周りを回るとき、相手に顔を向けたまま歩き続けるのと同じ状態です。この「絶対に顔を変えない」絶妙な固定状態こそが、潮汐ロックの正体なのです。

これが潮汐ロックの仕組み
地球の重力が引き起こしたシンプルで壮大な「月をロックするメカニズム」
では、なぜ自転と公転の周期がピッタリと一致してしまったのでしょうか?
これは、地球が月に対して与える「重力」がカギを握っています。
地球の重力は、月の全体に均一にかかっているわけではなく、地球に近い部分をより強く引っ張り、遠い側の月を弱く引っ張るという「力の差」を生み出します。
この力の差が、長い宇宙の歴史の中で、月の自転をブレーキのように少しずつ減速させていきました。そして最終的に、地球の重力が最も安定する、月の「重い部分」を常に地球に向け続ける状態に「固定(ロック)」してしまったのです。
これが、潮汐ロックが発生したシンプルなメカニズムだと理解すると、納得できます。地球の重力は私たちが想像するよりもずっと強力で、壮大な天体の運動にまで影響を及ぼしているのですね。
【衝撃】裏側はこんなに違った!「月のもう一つの顔」その驚きの姿

画像提供:NASA Image and Video Library
さて、地球からは絶対に見えない月の裏側。いったいどんな姿をしているのか、想像するだけでもロマンがありますよね。調べてみて驚いたのですが、月の表側と裏側は、見た目も構造も全く違っているのです。
表側は「海(マリア)」が多く、裏側はクレーターだらけの「高地」
私たちが地球からいつも見ている月の表側は、「海(マリア)」と呼ばれる黒っぽい部分が多く見られます。これは、かつて月の内部から流れ出た溶岩が固まってできた、比較的平坦で低い土地です。アポロ計画で人類が着陸したのは、すべてこの海が多い表側でした。
一方、月の裏側は、海がほとんどなく、代わりに大小無数のクレーター(隕石の衝突痕)で埋め尽くされた高地が広がっています。裏側の地殻は表側よりもずっと分厚く、なぜこのような違いが生まれたのかは、現在も宇宙科学の大きな謎の一つとされています。
この表裏の違いを知ると、「見てはいけない」裏側を見ることは、まるで月の隠された履歴書を覗き見るようで、さらに好奇心が刺激されます。
知識の深掘り:完全に固定されていない?月の「秤動(ひょうどう)」とは
さて、ここまで「潮汐ロック」によって月は常に同じ面を地球に向けていると解説してきましたが、実は月は完全に微動だにせず固定されているわけではありません。
| 用用 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 秤動 | ひょうどう | 月が地球から見てわずかに揺れて見える現象 |
この秤動のおかげで、地球からは月面全体の59%を観測できるのです。
原因は主に2つあります。
- 経度秤動: 月の軌道が楕円なので、公転速度が変化する
- 緯度秤動: 月の自転軸が傾いている
つまり、月は固定されているというより、「少しだけ首を振っている」イメージです。この補足的な知識を知ることで、月の運動の奥深さが見えてきます。
ロマンを追体験!人類が月の裏側を見た壮大な歴史と最新探査(嫦娥計画)

人類が裏側を目指した軌跡
地球から見えない月の裏側ですが、人類は宇宙開発の技術を駆使して、その姿を捉えることに成功してきました。
1959年ソ連「ルナ3号」が初めての撮影成功
人類が初めて月の裏側の姿を写真で捉えたのは、意外と昔のことです。1959年、旧ソ連が打ち上げた探査機「ルナ3号」が、月の裏側を周回し、その画像を地球へ送信しました。
この「人類初」の裏側写真によって、裏側がクレーターだらけの高地であることが初めて明らかになり、世界の天文学者は大いに沸き立ちました。
その後、1968年にはアメリカの「アポロ8号」が、人類として初めて月の裏側を周回し、宇宙飛行士が肉眼でその光景を目視しました。想像を絶する光景だったでしょう。
最新の探査!中国「嫦娥(じょうが)計画」のすごい成果
そして、最新の探査では、月の裏側への挑戦はさらに進化しています。
- 2019年: 中国の探査機「嫦娥4号」が、人類史上初めて月の裏側への軟着陸に成功しました。これは、地球との通信が遮断される裏側に着陸するという、非常に難易度の高い偉業でした。
- 2024年: さらに中国の「嫦娥6号」が、月の裏側の中でも特にアクセスが難しい場所から、サンプルを持ち帰ることに成功しました!
この裏側から持ち帰られたサンプルによって、月の表側と裏側がなぜこれほど違うのかという、長年の謎の解明に大きく貢献すると期待されています。
長年「見えない」とされてきた裏側が、今や人類の探査対象になっているという事実。定年後の私たちが新しいことに挑戦するのと同じように、宇宙開発もまた、未知への意欲に満ちているのだな、と感じました。
❓ FAQ
- Q潮汐ロック(潮汐固定)は、月と地球の間だけで起こる特別な現象なのでしょうか?
- A
いいえ、潮汐ロックは宇宙では珍しくない現象です。木星の衛星イオやエウロパ、土星の衛星タイタンなど、巨大な惑星の強い重力に引っ張られている多くの衛星で潮汐ロックが起きていると考えられています。太陽系外の恒星の周りを回る惑星(系外惑星)でも、恒星に非常に近い軌道にある場合は、同様に潮汐ロックされているケースが多いことが分かっています。
- Q「月の裏側」という言葉のイメージから、太陽の光が当たらず、常に真っ暗な状態なのでしょうか?
- A
これは大きな誤解です。月の裏側も、表側と同様に太陽の光を浴びています。月は太陽の周りを公転しながら、自転もしているため、新月のとき、月の裏側は太陽に照らされて「満月」の状態になっています。つまり、「裏側」は単に「地球から見えない側」という意味で、「暗い側」という意味ではありません。
- Q壮大な宇宙のロマンですが、月は地球から毎年少しずつ遠ざかっていると聞きましたが、本当でしょうか?
- A
はい、本当です。地球の潮の満ち引き(潮汐力)の影響で、月は少しずつ地球からエネルギーを受け取り、軌道が外側へ広がっています。現在の観測では、月は毎年平均して約 3.8cmずつ地球から遠ざかっていることがわかっています。数十億年後には、地球から月が全く見えなくなるほど遠ざかる、という説もあります。
🌕 もっと月の不思議を知りたい方へ
今回の記事で、月の裏側への興味が湧いた方には、こちらの1冊がおすすめです。
この本は、私が今回の記事を書くために参考にした入門書で、図解がとても豊富で初心者にわかりやすいです。潮汐ロックの仕組みや、月の表裏の違いについて、さらに詳しく知ることができます。
定年後の夜、コーヒー片手にゆっくり読むのにピッタリの1冊です。次回の記事(月探査史)を読む前に、予習としても最適ですよ!
まとめ:月の裏側はロマンの宝庫!次の挑戦に向けて

ロマンの宝庫・月のもう一つの顔
今回の記事では、初心者ブロガーのてつや目線で、「月の裏側はなぜ見えないのか?」という疑問を解き明かしてみました。
カギは、地球の重力が月をガッチリとロックしている「潮汐ロック」という壮大な宇宙のメカニズムでした。
- 月は自転周期と公転周期が一致しています。
- 裏側は、表側とは違い、クレーターだらけの高地が広がっています。
- 完全に固定ではなく、「秤動」というわずかな揺れもあります。
夜空の月は、いつも同じ顔を見せているけれど、その裏側にはまだまだ解き明かされていない「ロマンの宝庫」が広がっているのですね。
今回の記事で、少しでも夜空の月に対する見方が変わったら嬉しいです!
🌕 次回予告 🚀
さて、今回は「月の裏側はなぜ見えないのか?」という仕組みを理解しました。
このシリーズはここから、探査史から学ぶ3つの教訓(第2回)、
表と裏はなぜ違う?(第3回)、そして
実際にスマホで星空を撮影した実践記録(第4回)へと続いていきます。
次回(第2回)は、ルナ3号から嫦娥6号まで、
人類が「見えない裏側」に挑んだ壮大な歴史を、
定年後の挑戦に重ねながら追体験します。お楽しみに!
それでは、また次回の記事でお会いしましょう!てつやでした。
【月シリーズ・全4回】
📖 ① [裏側が見えない理由|定年後の星座観察準備](本記事)
📖 ② [探査史から学ぶ3つの教訓|定年後の挑戦]
📖 ③ [表と裏はなぜ違う?|定年後の知的好奇心](近日公開)
📖 ④ [スマホで星空撮影に挑戦|定年後の実践](近日公開)
【参考資料】
– NASA – Lunar Reconnaissance Orbiter
– 国立天文台 – 暦計算室
– 天文学辞典(日本天文学会)
– 中国国家航天局(CNSA)公式発表
※この記事の情報は2025年12月時点のものです。
宇宙探査は日々進歩しているため、最新情報は
NASA、JAXA、CNSAなどの公式サイトをご確認ください。


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