皆さん、こんにちは!てつやです。
春に定年を迎え、このブログを立ち上げてから、あっという間に半年が過ぎました。新しいことに挑戦する毎日というのは、本当に時の流れが速いものですね。
これまでの記事は、このブログ立ち上げのためにパソコンと格闘した奮闘記、大好きな車中泊の紹介、そして日々の小さな気づき――まさに等身大の雑記帳として公開してきました。
ブログを始めたことで、私は長年仕事に追われて見過ごしていた、ある大切なことに気づかされました。それが、今回のテーマである「解像度(かいぞうど)」の話です。特に、現役時代に「分かったつもり」で使っていた言葉の本当の意味に気づけたのは、大きな収穫でした。
定年後に見えてきた「分かったつもり」のモヤモヤ
現役時代を振り返ると、本当に時間がありませんでした。
とにかく業務がスムーズに流れることが最優先。経験則で「だいたい合っているだろう」と進めていたため、「分かったつもり」「なんとなく理解している」という、フワフワした状態で次の仕事に移ることが当たり前になっていたように思います。
このモヤモヤの正体に気づいたのが、定年後、そしてブログを書き始めてからです。
人に伝えようとすると、自分の理解の輪郭が、いかにぼやけていたかを思い知らされました。定年という時間的余裕ができて初めて、「私は本当に深く理解していたのだろうか?」と、自分を問い直すことになりました。
「解像度」という言葉との出会い – モヤモヤの正体が言語化できた瞬間
そんな時、最近よく目にするようになった「解像度」という言葉に目が留まりました。
本来はデジタル画像などの精細さを表す言葉ですが、ビジネスや学びの分野では、「物事をどれだけ具体的かつ深く捉えられているか」という意味で使われています。
この言葉を知った時、「なるほど、これだ!」と腹落ちしました。私が長年抱えていた、あの「なんとなく分かってる」というモヤモヤは、まさに「理解の解像度が低い状態」だったのです。
定年後の今、私はこの「ぼやけた写真」を、少しでもくっきり鮮明にしたい。そう思えるようになってから、深く理解することの楽しさを知りました。

解像度とは? – 理解度との3つの違い
この「解像度」という言葉について、私が実体験を通して感じたことを共有させてください。学術的な定義ではなく、私の実感ベースの理解です。
解像度が低いとどうなるか?
- 「だいたい分かっている」で思考が止まってしまいます。
- 人に説明しようとすると、抽象的な表現が多くなり、具体例が出てきません。
- なぜ、そうなるのか?という一歩踏み込んだ理由が説明できません。
- 経験則や勘に頼りがちになります。
解像度が高いとどうなるか?
- 細かい部分まで明確に把握し、全体の構造の中でどういう役割を果たすかまで見えます。
- 具体的な事例や手順を交えて、人に分かりやすく説明できます。
- 課題の根っこを見つけ、具体的な解決策を導き出せるようになります。
「理解度」と「解像度」を比較してみる
- 「理解度」は、「分かっているか/分かっていないか」という合格・不合格的な二択のイメージが強いですよね。
- でも、「解像度」は、「どこまで鮮明に分かっているか」という段階的なイメージなんです。少しずつ焦点を合わせていくように、無限に高めていくことができます。
「完全に理解しろ!」と言われると重いですが、「解像度を少し上げてみよう」なら、前向きに取り組める気がしませんか? 私はこの言葉のおかげで、グッと肩の力が抜けました。

現役時代の失敗談:「分かったつもり」で使っていた言葉と、理解が浅かった理由
今でこそ解像度の大切さを語っていますが、現役時代の私ほど、理解が浅くても仕事を進めていた人間はいなかったかもしれません。
当時の思考の浅さが露呈していたエピソードをご紹介します。
エピソード1:会議での曖昧な発言
会議で、私は「全体最適」「部分最適」という言葉を多用していました。
しかし、当時の自分に「てつやさん、その『全体最適』の具体的なゴールは何ですか?」「『部分最適』と具体的にどう天秤にかけているんですか?」と問われると、答えに詰まっていたでしょう。
具体的な施策や数値目標ではなく、「みんなが使っている雰囲気の良い言葉」に乗っかって、深く考えることを止めていたのです。これが、概念を理解したつもりで満足していた、私の現役時代の姿です。
エピソード2:企画書・報告書での「ごまかし」
企画書や報告書でも、似たようなことがありました。「効率化」「改善」「最適化」といった言葉で、体裁を整えていたのです。
もちろん、本当にそうなるように努力はしていましたが、「今回のシステム導入で業務を最適化します!」と書いても、その「最適化」が具体的にどのプロセスを、どれだけの数値で変えるのかという詳細な掘り下げが甘かった。数値やプロセスの詳細まで掘り下げていなかったため、結局、表面的な対策で終わってしまった事例も多かったはずです。
エピソード3:セキュリティ事故の「なぜなぜ分析」
最も反省しているのは、あるセキュリティ事故が発生した時のことです。再発防止策を検討するため、形式的に「なぜなぜ分析」のフレームワークを使いました。
しかし、その事故の根本にあるシステム構造や規定の背景に対する私の理解が浅かったため、「なぜ」を深掘りすることができませんでした。結論は、「教育を強化します」「チェックリストを増やします」といった、その場しのぎの対処療法に留まってしまったのです。
高度なフレームワークを使っても、知識の解像度が低いと、導き出される結論も中途半端になる。今なら、その理由がよく分かります。
ブログという「アウトプット」を通じて解像度が上がった体験
定年後にブログを始めたことで、私は強制的に「知識の解像度を上げる」作業に取り組むことになりました。
なぜなら、「人に伝えるために書く」というアウトプットの行為は、自分自身の理解を試す最高の機会だからです。
例1:車中泊の記事を書いた時
私の趣味である車中泊。ただ「楽しいよ!」と記事にしても、読者には響きませんよね。
「なぜ楽しいのか?(→非日常感、自由な時間、コストパフォーマンスなど)」
「どんな準備が必要か?(→電源、寝具、目隠しなど)」と、
読者の知りたいことを想定して、自分の体験を分解しました。
実際に使っているグッズの良し悪しを言語化する過程で、「なぜこのグッズを選んだのか」という理由が明確になり、自分の知識が整理されていくのを感じました。「楽しい」という感情が、具体的な知識として定着した瞬間です。
例2:ブログ開設の記事を書いた時
初心者の皆さん向けにブログの作り方を書いた記事でも、同じです。
自分が無意識にやっていた手順を一つひとつ分解し、「なぜこの順番で進めるのか」「なぜこの設定が必要なのか」と、自分の操作すべてに理由を問い直す必要がありました。
専門用語を避け、分かりやすい言葉で説明しようと努力することが、最も自分の理解を深める試練になったのです。
例3:読者からの質問やコメント
そして、何よりありがたいのが、読者の皆さんからのコメントです。「この部分が分かりにくかった」「これはどういう意味ですか?」といったご意見をいただくと、自分が「分かっているつもり」になっていた穴が露呈します。
「あぁ、この説明じゃ伝わらなかったんだ」という発見こそが、次の学びにつながります。改めて調べ直し、記事を修正することで、私の理解はさらに深く、鮮明になっていく。この循環こそが、ブログを書くことの最大の価値だと感じています。
定年後だからこそできる「解像度の上げ方」

さて、この「解像度を上げる」作業は、定年後の私たちに与えられた最高の楽しみです。現役時代はできなかった、時間的余裕を活かした方法を提案します。
①「じっくり調べる」「何度も試す」余裕を持つ
現役時代は結果が全てでしたが、今は失敗を恐れず、試行錯誤を楽しめます。
一つの疑問に対し、時間をかけて徹底的に調べ、「なぜ?」を深掘りする。そして、本で読むだけでなく、実際にやってみること。
ブログも、車中泊も、すべて「やってみた」から分かったことです。時間を気にせず、納得いくまで自分の手と頭を動かしましょう。
②人に「説明できるレベル」を目指す
解像度を上げる一番の近道は、アウトプットを前提に学ぶことです。
- ブログで発信する
- 家族や友人に、専門用語を使わずに説明してみる
- ノートに自分でフローチャートを書いて整理する
人に教えるつもりで知識を整理すると、曖昧な部分が嫌でも明確になります。そして、読者や聞いた人の反応が、新たな学びのきっかけになるはずです。
③完璧じゃなくていい、自分のペースで楽しむ
最初から100%の解像度を目指す必要はありません。
大切なのは、「なんとなく」から一歩でも二歩でも、深く、鮮明に理解しようとする過程そのものです。その試行錯誤のプロセスを、私たち定年組は、心ゆくまで楽しめる特権を持っています。
まとめ:完璧じゃなくていい、一歩ずつ解像度を上げよう
「解像度を上げる」ことは、一度やったら終わりではありません。終わりのない、楽しい旅のようなものです。
でも、昨日より今日、今日より明日、少しずつ知識を鮮明にしていく喜びは、定年後の生活を本当に豊かにしてくれます。あの「分かったつもり」のモヤモヤから卒業できるだけでも、気分が晴れますよね。
このブログを通じて、これからも私は色々なことに「やってみた!」を積み重ねていきます。それが、私自身の解像度を上げ、同時に読者の皆さんの役にも立つなら、こんなに嬉しいことはありません。
あなたも、何か一つ、「もっと深く知りたいな」と思うことを見つけて、じっくり取り組んでみませんか? ぜひコメントで教えてくださいね!
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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