―― 目的・境界線・優先順位という「3つの軸」
皆さん、こんにちは!てつやです。
前回は、「なぜ、あなたのAIは迷うのか?」というテーマで、多くの方が感じている“もやもや”の正体を整理しました。
記事を読んでくださった方の中から、こんな声が聞こえてきそうです。
「確かに心当たりがある。でも、具体的にどうすればいいのか分からないんだよ」
「“曖昧”と言われても、自分なりに丁寧に伝えているつもりなんだけど……」
分かります。私も最初はそうでした。
自分では一生懸命説明しているつもりなのに、AIが明後日の方向へ走っていく。
今回は、その「丁寧に伝えているつもり」の中に隠れている“曖昧さ”の正体を、もう少しだけ具体的に見ていきましょう。
AIは、あなたの「なんとなく」をそのまま受け取る

AIは、驚くほど素直な性格をしています。
私たちが、
「いい感じに整えて」
「分かりやすくまとめて」
と伝えると、
AIは「わかりました!いい感じに、分かりやすくですね!」と、
その言葉をそのまま受け取ります。
ですが、ここには決定的なものが抜けています。
AIが正しく動くために必要な「判断の材料」が含まれていないのです。
- 目的: 何を作りたいのか
- 境界線: どこまで任せるのか
- 優先順位: 何を大事にするのか
これらの「背骨」がない状態で、AIは情報の海に放り出されてしまっているのです。
第1回の“あるある”は、なぜ起きるのか

前回お話しした、あの「もやもや」する状態を思い出してみてください。
- 毎回ガチャを回しているようになる
- 昨日と今日で結果が変わる
- 「もっと〜して」が伝わらない
- 直すほど迷宮入りする
これらは決して、AIの気分や性能の問題ではありません。
ズレの正体は、AIの能力不足ではなく、単純な「判断材料の不足」なのです。
AIは決して迷っているわけではありません。
与えられた、わずかな情報の中で、ただ懸命に処理をしているだけ。
それでも結果がズレていくのは、AIの「判断ミス」ではなく、私たちが「判断できるだけの材料を渡せていない」からなのです。
なぜ、解釈が毎回変わってしまうのか

例えば、こんな前提を想像してみてください。
「誰に向けたものなのか」
「どのくらいの専門性が必要なのか」
「何を一番の売りにしたいのか」
こうした前提が曖昧なままだと、AIはその都度、自分の都合で違う解釈を始めます。
だから、自分では同じように頼んでいるつもりでも、結果が毎回少しずつ変わってしまう。
これが「AIガチャ」の正体です。
人に頼むときと、同じことが起きている

ここで、少し身近な例で考えてみましょう。
例えば、あなたが誰かに料理をお願いするとします。
そこで「何か作って」とだけ伝えたら、相手はきっと困ってしまいますよね。
- お祝いの豪華なご馳走なのか
- 胃に優しい軽い食事なのか
- とにかく早く出せるものがいいのか
前提が分からなければ、相手は判断ができません。
AIとのやり取りも、これと全く同じです。
「迷っている状態」で情報を渡している

こうして見ていくと、少し見え方が変わってきませんか?
AIが勝手に迷っているのではなく、私たちが最初から“迷える状態の情報”を渡してしまっている。そう考える方が、ずっと自然です。
では、その曖昧さは具体的にどこにあるのでしょうか。
前回の最後で触れた3つの視点。
- 「何を作るのか」(目的)
- 「どこまでやるのか」(境界線)
- 「何を大事にするのか」(優先順位)
これらが整理されないままやり取りしている限り、AIは判断の基準を持てず、ふらふらと彷徨い続けてしまうのです。
今回のまとめ
今回お伝えしたかったのは、AIが迷う原因は「操作の技術」にあるのではなく、「情報の渡し方」にあるということです。
そして、その中にある「曖昧さ」こそが、結果のズレを生んでいる最大の原因でした。
「なるほど、問題は情報の渡し方にあったんだな」
そう気づくだけでも、見え方が少し変わってくるはずです。
次回予告
では、その曖昧さをどう整理し、どうやってAIに渡せばいいのでしょうか。
次回は、いよいよ具体的な解決策に入ります。
「渡し方の順番」という視点から、あなたのAIを迷わせないコツをもう一歩だけ具体的に見ていきましょう。
👉 第3回:AI思考設計|AIが迷わなくなる“渡し方の順番”
―― 「順番という概念がある」という事実
それでは、また次の記事でお会いしましょう。
理解の旅シリーズ
第0回:道具は変わる。だが、仕組みを作る「知恵」は受け継がれる。
第1回:AI思考設計|なぜ、あなたのAIは迷うのか?
第2回(本記事):AI思考設計|AIがうまく動かないのは“情報の渡し方”が曖昧だから
第3回:AI思考設計|AIは“順番”で変わる理由


コメント