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60代ソロ車中泊|聖地ふもとっぱらで見た天国と地獄!定年記念のはずが夜の闇で迷子に…?

60代ソロ車中泊|聖地ふもとっぱらで見た天国と地獄!定年記念のはずが夜の闇で迷子に…? 車中泊

皆さん、こんにちは!てつやです。
今年の3月に長年勤めた会社を定年退職し、これまで憧れつつも先送りにしてきたアレコレに挑戦するブログを始めました。何事も最初は手探りですが、それもまた一興。新しい毎日を楽しんでおります。

さて、記念すべき最初の挑戦「ブログの開設」をなんとか終え、現在は第二の挑戦として趣味の「車中泊」シリーズをお届けしております。

この記事が、かつての私のように「定年後の時間をどう楽しもうか」「車中泊に興味はあるけど、何から始めればいいんだろう?」と感じている同世代の皆さんの、最初の一歩を踏み出すきっかけになれたら嬉しいです。

そして今回、私がハンドルを握って向かったのは、キャンパーなら誰もが一度は夢見るであろう“聖地”、「ふもとっぱらキャンプ場」です!

雄大な富士の麓で、定年退職を自分自身で祝う、記念すべきソロ車中泊…のはずが、そこには最高の絶景と、ちょっぴり(いや、かなり?)手痛い洗礼が待っていました。

今回の「やってみた!」では、キャンパーの聖地・ふもとっぱらの魅力と、これから訪れる方にぜひ知っておいてほしい「お勧めポイント」と「注意点」を、私の実体験を交えて詳しくお伝えします。どうぞ、最後までお付き合いください。

シンボルの牛舎トイレの背後にそびえる富士山。ふもっとばらキャンプ場の風景
The「ふもっとばらキャンプ場」の風景

▼ふもとっぱらキャンプ場
 公式サイト:https://fumotoppara.net/
 所在地  :〒418-0109 静岡県富士宮市麓156

始まりは「定年記念に、富士山を見に行こう」

あれは退職を目前に控えた3月のこと。 「定年のお祝いに、どこか行きたいところはある?」 妻からの優しい言葉に、私は間髪入れずにこう答えていました。 「ふもとっぱらで、ゆっくり富士山を眺めながら一泊したい!」

そう、この「ふもとっぱら」は、私が車中泊という趣味にのめり込むきっかけとなった雑誌や動画で、何度も目にしてきた憧れの場所。広大な草原の向こうに、裾野までくっきりと広がる雄大な富士山。いつか、この目で見てみたいと、ずっと心に秘めていたのです。

「いいわね。でも、3月はまだ寒そうだから、私は暖かい季節になってからにするわ」

…ということで、妻にはあっさりフラれてしまい(笑)、私の定年記念車中泊は、急遽ソロでの決行となったのでした。これもまた自由な一人旅の醍醐味。期待に胸を膨らませ、愛車のホンダ・フリード+のエンジンをかけました。

いざ聖地へ!快晴の富士山麓ドライブ

自宅を出発したのは、とある金曜日の朝。 3月とはいえ、その日は雲一つない快晴に恵まれました。高速道路を走り、富士宮市内に入ると、行く手の先にだんだんと富士山がその姿を現します。その圧倒的な存在感に、「ああ、本当に来たんだな」と、60歳を過ぎた男の心が、まるで遠足前の子どものように高鳴るのを感じました。

現地に到着し、受付を済ませて場内へ。そこに広がっていたのは、まさに私が夢にまで見た光景でした。

どこまでも続くかのような広大な草原。そして、その真正面に、青い空とのコントラストも鮮やかに、堂々とそびえ立つ富士山。遮るものは、何もありません。

「うわぁ…」

思わず声が漏れてしまいました。この景色を独り占めできる。それだけで、ここまで来た価値があったと心から思いました。

【お勧めポイント①】どこからでも富士山!圧巻のロケーション

ふもとっぱらの最大の魅力は、何と言ってもこのロケーションです。場内は非常に広大なフリーサイトになっており、基本的にどこに車を停めても、雄大な富士山を正面に望むことができます。

テントを張る人、タープを広げる人、私のように車中泊を楽しむ人。それぞれが思い思いのスタイルで、富士山との対話を楽しんでいるようでした。この開放感と絶景は、他のキャンプ場ではなかなか味わえない、ふもとっぱらならではの贅沢だと言えるでしょう。

場所選びの葛藤…そして、これが後々の悲劇に

さて、絶景に感動しつつも、寝床を確保しなければなりません。場内を見渡すと、平日にもかかわらず、多くのキャンパーで賑わっていました。特に、売店や草原中央トイレの周りなど、水場が近いエリアは、テントとテントの間隔も近く、かなりの密集状態。

「せっかくのソロキャンプだ。周りを気にせず、静かに過ごしたい」

そう考えた私は、利便性よりもプライベート感を優先することにしました。トイレからは少し離れてしまいますが、場内の奥まった、周りに誰もいないガラガラのエリアにフリード+を停車。目の前には、誰にも邪魔されない雄大な富士山が広がります。

「うん、ここが最高だ!」

この時の私は、最高の場所に陣取れたとご満悦でした。昼間の開放感と絶景が、夜には全く別の顔を見せるという当たり前のことを、この時の私は想像すらしていなかったのです。この判断が、後に夜の闇の中で自分を苦しめることになるとは、夢にも思わずに…。

回りがガラガラだったふもとっぱらキャンプ場のEサイト
回りがガラガラだったふもとっぱらキャンプ場のEサイト
ふもとっぱらキャンプ場MAP
ふもとっぱらキャンプ場MAP

【お勧めポイント②】初心者も安心!充実しすぎの場内設備

場所を決めた後、少し場内を散策してみました。そこで驚いたのが、設備の充実ぶりです。

  • 金山テラス(カフェレストラン):
    まず驚いたのが、この立派な建物。大きな窓ガラスから富士山を一望でき、ジビエを使ったハンバーガーや、地元食材を使ったメニューが楽しめます。金・土・日限定で、ボリューム満点の朝霧高原ラーメンが食べられることをチェックしました。
  • 売店:
    売店には薪や炭といったキャンプ用品はもちろん、地元の特産品やお土産、さらには新鮮な牛乳や卵まで並んでいます。私はここで、名物だという「あさぎり牛乳」と、ゴミを引き取ってもらうための有料ゴミ袋を購入。購入した牛乳は、持参したポータブル冷蔵庫へ。これで翌朝の食事が楽しみになります。
  • 無料の温泉:
    なんと、午後3時からは場内の「不動の湯」というお風呂に無料で入れるとのこと!残念ながら今回は利用しませんでしたが、冷えた体を温められるのは本当にありがたいサービスです。
  • 水場とトイレ:
    広大な敷地の各所に、清潔に管理されたトイレと水場が点在しています。これなら、どこにいても不便を感じることは少なそうです。
  • ゴミの引き取り:
    指定のゴミ袋(分別が必要)を購入すれば、ゴミを全て引き取ってもらえます。これは車内スペースが限られる車中泊には、本当に助かるサービスです。

これだけの設備が整っていれば、キャンプ初心者の方や、ファミリーでも安心して楽しむことができますね。さすが“聖地”と呼ばれるだけのことはあります。

春の日差しをなめてはいけない!嬉しい誤算と日焼け

設営(といっても車を停めただけですが)を終え、折り畳みのリクライニングチェアを広げて富士山を眺めながら、途中で買っておいたコンビニおにぎりで簡単に昼食を済ませたあと、ケトルでお湯を沸かしてコーヒーで一息。3月とはいえ、燦々と降り注ぐ太陽の光がポカポカと暖かく、実に心地よい時間です。寒さを覚悟してきただけに、この暖かさは嬉しい誤算でした。

しかし、この油断が禁物でした。すっかりリラックスして寝る頃までずっと屋外で過ごしていました。翌朝、顔を洗う時に何故かヒリヒリするので鏡を見ると…顔が真っ赤!標高が高い場所の日差しを完全になめていました。帰宅後、妻に「どこか南国にでも行ってきたの?」と笑われるほど、くっきりと日焼けしてしまいました。春先でも、日焼け対策は必須ですね。

夜の訪れと凍える寒さ、そして曇り空

太陽が富士山の向こうに沈み始めると、あれほど暖かかった空気が一変します。ぐんぐんと気温が下がり、あっという間にダウンジャケットが手放せないほどの寒さに。これぞ、標高が高いキャンプ場の洗礼です。

さらに追い打ちをかけるように、日が落ちると同時に西の空から急速に雲が広がり始めました。今回のキャンプで、富士山ともう一つ楽しみにしていたのが、街の明かりに邪魔されない満点の星空観察でした。しかし、空はあっという間に厚い雲に覆われてしまい、その望みは儚く消えてしまったのです。これは残念でなりませんでした。

私の愛車フリード+は、この時点ではまだ断熱材を入れたり、FFヒーターを取り付けたりといった本格的な車中泊仕様への改装前。寝袋と毛布だけで、この寒さを乗り切れるだろうか…一抹の不安がよぎります。

夜が更けるにつれ、その不安は現実に。車の窓は結露でびっしょり。外の冷気が容赦なく車内に侵入してきます。寝袋にくるまっても、背中や足元からじわじわと冷気が伝わってきて、なかなか寝付けません。

「ああ、FFヒーターさえあれば…」

スイッチひとつで車内をポカポカに暖めてくれるという、あの魔法の暖房器具。5月の改装で取り付ける予定でしたが、この時ほどその完成が待ち遠しいと思ったことはありませんでした。寒さで何度か目を覚まし、浅い眠りを繰り返す夜となりました。

【注意点①】春・秋の寒暖差は想像以上!防寒対策は万全に

この経験から得た教訓です。ふもとっぱらは標高約830mに位置します。昼間が暖かくても、朝晩の冷え込みは平地とは比べ物になりません。特に、春先や秋口に訪れる方は、冬用の装備で臨むくらいの心構えが必要です。FFヒーターがない場合は、質の良い寝袋はもちろん、湯たんぽや電気毛布など、複数の防寒対策を用意していくことを強くお勧めします。

【最大の失敗談】夜のトイレでまさかの遭難…!?

そんな寒い夜中、ついに尿意が我慢の限界に。意を決して寝袋から這い出し、車の外に出ました。

しかし、そこに広がっていたのは期待していた星空ではなく、月明かりすらない本当の闇。厚く垂れこめた雲が、わずかな光さえも遮り、スマホのライトの先以外は何も見えません。星が見えないため、方角の目星をつけることすら困難な状況でした。

それでも生理現象には勝てず、スマホのライトを頼りにトイレへ。用を足し、さあ車に戻ろうとした、その時でした。

「あれ…?俺の車、どっちだっけ?」

周りは見渡す限りの闇。そして、広大な草原。ポツリ、ポツリとキャンパーたちのテントの灯りや車のシルエットが見えますが、どれも同じように見えます。昼間、プライベート感を優先して周りに何もないガラガラのエリアを選んだことが、完全に裏目に出ました。目印になるものが、何一つないのです。

「確か、こっちの方だったはず…」

そう思って歩き出すも、景色は一向に変わりません。同じようなフリードや、似たような色の車が点在しており、自分の車がどれなのか全く分からない。心臓が、ドキドキと早鐘を打ち始めます。

「まずい、これは本気でまずい…」

携帯の電波はかろうじて入りますが、こんな夜中に誰に助けを求めればいいのか。まさか、定年記念のキャンプで、キャンプ場内遭難という情けない事態になるとは…。

冷や汗をかきながら、闇雲に歩き回ること実に30分。心身ともに凍えきったその時、遠くに微かに見えた、自分が目印のつもりで車のダッシュボードに置いていた小さなランタンの灯り。

「あそこだ!」

まるで暗闇に差し込んだ一筋の光でした。自分のフリード+にたどり着いた時の安堵感は、今でも忘れられません。

【注意点②】広すぎるが故の罠!場所選びと夜の備えは慎重に

この苦い経験から、ふもとっぱらを楽しむための重要な注意点をお伝えします。

  • 場所選びは慎重に:
    特にソロや初心者の方は、いくら空いていても、管理棟やトイレから極端に離れた場所や、周りに全く目印がない場所は避けた方が賢明です。「他のキャンパーの灯りが程よく見えるくらいの距離感」が、夜の安心感につながると痛感しました。
  • 自分のサイトの目印を:
    夜でも自分の場所が分かるように、光るもの(ランタンやLEDライトなど)を車の外やテントに設置しておくことを強くお勧めします。今回、私を救ってくれたのはダッシュボードの小さな灯りでしたが、車外に一つあるだけで安心感が全く違います。
  • GPSマップの活用:
    スマートフォンの地図アプリで、駐車した場所にピンを立てておくと、万が一の時に非常に役立ちます。これは必須の対策と言えるでしょう。

霜と夜露の朝、手作り朝食で温まる

迷子事件の興奮と寒さで、結局ほとんど眠れないまま朝を迎えました。昨日の快晴が嘘のように、空は厚い雲に覆われ、楽しみにしていたご来光や紅富士は残念ながら拝めません。

それでも、朝の新鮮な空気を吸おうと車外に出た瞬間、「うわっ、冷たい!」と思わず声が出ました。一面に降りた霜と夜露で、草原はびしょ濡れの状態。普通のスニーカーだった私の靴は、数歩歩いただけであっという間にぐっしょりと濡れてしまいました。朝の散策や撤収作業を快適にするためにも、防水の効いた靴や、いっそ長靴が一足あると心強いですね。これも次回の課題です。

冷たい足先に顔をしかめつつも、気を取り直して朝食の準備です。持参したカセットコンロを取り出し、まずはジュウっと音を立てて目玉焼きを焼きます。途中のコンビニで買っておいたサラダチキンと家から持参したカットサラダを皿に盛り、食パンを添えれば、キャンパーらしい朝食の完成です。

そして、初日に売店で購入しておいた「あさぎり牛乳」をゴクリ。新鮮でコクがあり、とても美味しかったです。手作りの温かい朝食と美味しい牛乳で、ようやく体が内側から温まってきました。

朝食後、靴の濡れも気にせず、少しだけ周辺を散策。曇り空の下の静かなふもとっぱらも、また違った趣があります。車に戻ると、最後の楽しみに熱いコーヒーを淹れて一息。この一杯が、なんとも言えぬ至福の時です。さて、名残惜しいですが、そろそろ撤収を始めますか。

翌朝。金山テラスの窓から一望できるはずの富士山が…あいにくの曇り空で見られず
翌朝。金山テラスの窓から一望できるはずの富士山が…あいにくの曇り空で見られず

旅の締めは、冷えた体に染み渡る「朝霧高原ラーメン」

手際よく撤収作業を終え、時刻はまだ午前11時前。少し早いですが、お昼ごはんを食べてから帰路につくことにしました。向かうは、もちろん金山テラスのカフェレストランです。

メニューを眺めていると、「朝霧高原ラーメン」という文字が目に飛び込んできます。これだ、と迷わず注文。運ばれてきた熱々のラーメンを前に、思わず笑みがこぼれます。まずはスープを一口。

…うまい!

昨夜から芯まで冷え切った体に、滋味深い温かいスープがじわーっと染み渡っていくのが分かります。肌寒い日に味わう最高の贅沢。夢中で麺をすすり、あっという間に完食してしまいました。これは、ふもとっぱらを訪れた際の、新しい楽しみになりそうです。

金山テラスから売店へ歩いて移動して、お土産にいくつか特産品を買い込み、聖地を後にしました。帰りの車中、日焼けでヒリヒリする顔と、寝不足の頭でぼんやりと考えます。寒かったし、怖い思いもした。でも、それらを全て帳消しにしてお釣りがくるほどの、最高の感動があったな、と。

食べ終わった後の「朝霧高原ラーメン」のどんぶり(最初に撮影するのを忘れました)
食べ終わった後の「朝霧高原ラーメン」のどんぶり(最初に撮影するのを忘れました)

まとめ:60代初心者が感じた「ふもとっぱら」の総評

憧れの聖地「ふもとっぱら」での、定年記念ソロ車中泊。 一言で言うならば、「天国と地獄を味わった、最高のキャンプ」でした。

【お勧めポイント】

  • 何物にも代えがたい、圧巻の富士山の絶景
  • 初心者でも安心の、温泉まである充実した設備
  • 広大なフリーサイトがもたらす、最高の開放感

【注意点】

  • 春・秋でも油断禁物!万全すぎるほどの防寒対策を
  • 広すぎるが故の「キャンプ場内迷子」に注意(特に夜間)
  • 朝の夜露は想像以上!防水の靴や長靴があると快適です
  • 日差しが強いので、日焼け対策は忘れずに

色々とありましたが、間違いなく私の車中泊人生で最も記憶に残る一泊となりました。失敗も含めて、全てが良い経験です。そして、FFヒーターのありがたみを、身をもって知ることができました(笑)。
この寒さとの戦いについては、また別の記事で詳しくお伝えしたいと思います!

このブログを読んで、ふもとっぱらに興味を持った方も多いのではないでしょうか。私の失敗談を反面教師にして、万全の準備で、ぜひあの絶景を味わいに行ってみてください。

さて、次はどこへ行こうか。私の「やってみた!」挑戦は、まだ始まったばかりです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

▼これまでの記事の一部をご紹介します。よろしかったらご覧ください。

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